あー、1日が48時間くらいあったらなあ
そんなことを考えながら生きている兄貴姉貴たちも多いんじゃないかと思う。朝7時とか8時とかに起きて、遅刻ギリギリまで二度寝して出勤して、家に帰ったら飯食って、スマホいじりながら気絶するように眠る。心当たりがあるんじゃないか。少なくとも、僕はそういう生活をしている。
時間がないなと思って暮らしている。平日は仕事だけでいっぱいいっぱいだし、いざ週末になっても適当に寝て過ごすだけ。そうしてダラダラしているとまた月曜日の朝が来る。変わり映えのない毎日の中で、寿命だけが刻一刻と近付いてくる。「じゃあ、変えればいいじゃん」と誰かが言う。「そんな時間はないな」と僕は思う。考えたことがなかったのだ。時間は自分でつくるものだと。
1日は誰にとっても24時間と言うけれど
その24時間をフル活用できている人間がこの社会にどれだけいるだろうか。そこに気付くのに随分かかってしまった。考えてみてほしい、ぶっちゃけみんなスマホ眺めるよね。テレビ、眺めてるよね。その時間って、本当に必要なんだろうか。
メディアの発達は日進月歩で、ウホウホ言ってバナナを探していた僕たち人間の周りにはあっという間に情報が満ち溢れるようになった。文字通り溢れているのだ。これは全く喜ばしいことであると同時に、ささやかな悲劇でもある。それら情報の全てが、必ずしも僕たち一人ひとりにとって必要なモノとは限らないからだ。そしてさらに悪いことに、僕たちの脳は入ってきた情報の全てを格納したがる。有益な情報にも、無益な情報にも平等にメモリを割きたがる。結果的に、スマホやテレビを眺めている僕たちの脳には必要な情報よりも不必要な情報の方がたくさん溜まっていくことになる。これが「時間ない病」の正体なんだと、僕はいちおう結論付けた。
檻の中での上手な生き方
脳の「ゴールデンタイム」に乗ろう
1日は24時間というのは極めて客観的な事実で、その壁は越えようがないのは誰もが知るところだ。でもどうやら、人間の脳にとってはその限りではないらしい。
人間の脳には「ゴールデンタイム」と言うべきクッソ集中できる時間というのが存在する。起床してから2~3時間は、余計な疲労が溜まっておらずかなりの仕事量を高いクオリティでこなすことができるのだそうだ。この時間帯に集中力を要求されるタスクをこなせばより無駄が少なくなるというわけだ。
ゴールデンタイムの存在が意味するところは、「起床直後の2~3時間」と「帰宅後の2~3時間」とでは価値にかなりの違いがあるということだ。メールチェックや電話など、大して集中力を要しないタスクを朝イチにとりあえず片付けようとするのは大いなる時間的損失で、本当はもっと大事なことを午前中にこなすべきなのだ。ましてや、朝起きて手始めにテレビを点けるなど以ての外である。ゴールデンタイム特有の高い情報処理能力のせいで脳が雑多な情報でいっぱいになり、僕たちはまたしても檻の中で窮屈に過ごすことになる。
またゴールデンタイムとは逆に、午後2時~4時までは急激に集中力が落ち込む時間帯だという。集中力を要しない仕事はむしろこういった眠たい時間に息抜きがてら片付けてしまうのがより望ましいだろう。主観的に言ってしまえば、時間の流速は一定ではないのだ。スピーディでエネルギッシュな午前中には重い仕事を、退屈で疲労のある午後には軽い仕事を行うことで時間の濃度を自ら調整する癖をつけよう。
そもそも朝に弱いんですがそれは
ネットのオタクは朝に弱い(偏見)。ただあながち偏見ではないかもしれない。液晶画面を見ている間は瞬きが少なくなる。その状態で光を見続けていると無自覚に脳の疲労を蓄積してしまうほか、寝付きも悪くなりがちだ。遅くとも就寝の1時間くらい前にはスマホやテレビ、パソコンの電源を落とし、リラックスした状態で布団に入るよう心掛けるべきだろう。あくまで個人的にだが、この就寝1時間前のノー液晶タイムを設けることで、体感の睡眠時間が2~3倍くらいに伸びた。翌朝の身体の軽さが半端ではないので試してほしい。スマホが手放せなくてつい布団に持ち込んでしまうという人は、放置型のアプリを始めてみるのもいいかもしれない。触っていなくともゲームが進行する安心感は、依存症対策に一定の効果があるように思う。
また、カーテンを開けたまま就寝するというのも睡眠改善への有効なアプローチのひとつだ。人間の脳は日光を感じることで活動的になり、朝の目覚めがぐっと快適になる。防犯上はあまりよろしくないかもしれないが、あまりに朝がしんどい場合は取り入れてみるといいだろう。何はともあれセロトニンである。
日中活動の効率化と同じくらい、夜のノンストレス化も重要な自己投資だ。「平日に頑張って、週末に休む」暮らしから「日中に頑張って、家では徹底的に休む」暮らしへ価値観をシフトさせていくのがより健康的だと思う。そうすることで、週2日以下だった休みが実質週7日に増えるのだから。
作った時間で何をする?
無駄な時間を省き、生活スケジュールの最適化を図ると、実は結構自由な時間が生まれることが分かる。重要なのはその自由時間をどう使うかだ。ここで注意したいのは、せっかく生まれた自由時間には絶対に仕事を詰め込んではいけないということだ。ましてや残業などは自分の命を切り売りする非生産的活動で、結果的に僕たちの健康や生産性をガタガタに破壊するだろう。残業をするくらいなら、いかにして定時までに決められたノルマを達成するかに知恵を絞った方が何倍も幸福になれるはずだ。仕事のケツを守る姿勢は、周囲からの信頼を得ることにも繋がるのだから。
自分で生み出した自由な時間は、自分の為に使われるべきだ。家族や友人との交流、美味しい食事、したくてもできなかった趣味への投資、将来に備えた資格の勉強。僕たちは働くために生きているのではない。生きるために働いているだけである。そして生きるのは楽しむためであると考えよう。
……的なことが書いてある本がこちらです。
『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術』(樺沢紫苑 著)
時間術っていう言葉があるんですね。ライフハック系のブログとかで最近知ったので書店で買ってみたら結構面白かった。内容自体に目新しさは少ないが、具体的な数字で目安が示されている項も多く、「読んだらすぐ行動に移したい!」って感じの迷える人々にはお勧めできる。価格は1650円(税込)。冬野が読んだ中古で良ければ下のURLから少し安くお譲りします。先着1名様だけどね。
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